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深さという基準を持つ

  • 執筆者の写真: zaharaoriental
    zaharaoriental
  • 9月18日
  • 読了時間: 3分

外側に広く浅く…という価値観は現代社会に根付いています。

顔が広い人、人脈が広い人、表面的なコミュニケーションがうまい人、多くの人に影響力を持つ人が偉い、みたいなやつですね。



私たちのエネルギーは、トータルでは辻褄が合うようにできています。

広げれば薄まって浅くなるし、深めれば狭めるしかなくなります。

1部の規格外の人たちを除いては。


私はコーヒーでイメージするのがわかりやすいと思ってるんだけど…


アメリカンコーヒーは、日本でよく飲まれている一般的なコーヒーです。浅煎りの豆を使い、粗〜中挽きに挽いたものに多めのお湯をかけて抽出します(コーヒーをお湯で割ったものを指すことも)。良くも悪くもコーヒー豆の個性が薄まるので、多くの人にとって飲みやすいと感じる味になります。

一方でエスプレッソは、細かく挽いた深煎りのコーヒー豆に、高い圧力をかけることで抽出します。お湯の量は少なめで、深い味わいになります。コーヒー豆の個性が出るので、多くの人に手軽に飲まれるというよりも「好きな人にはたまらない」味になります。


どちらがいい悪いではなくて、「両方の良いとこどりは選べない」という話。


お湯で薄めれば広く浅く好まれます。でも個性も薄まるので、熱意を持って愛される『推し』になることは難しい。

短時間で出来上がるものは、コスパ・タイパ的にお手軽ではあるけれど、味わい深さを得ることはできません。手軽に作れて広く浅く好まれるということは、言い換えれば『汎用品であり、代替可能』ということです。


味わい深いものをつくるためには、準備段階での手間と時間がかかります。やっと出来上がったとしても、その成果はほんのちょっと。個性的なものほどその良さを理解できる人は少なくなりますし、圧倒的なコスパ・タイパの悪さとあいまってますます万人受けしない。

でも、高い圧力(ストレス)をかけることでしか抽出できない『深さ』は、代替不可の『推し』となり得る魅力(というか引力?)です。



アイドルではないアーティストやクリエイターは性格的にクセのある人が多いですが、そう考えればこれも当然のこと。万人に好かれようとすれば、「あなたがいい」と思ってもらえる理由や魅力を失ってしまうから。


メンタルがしんどくなりやすいのも、本人の精神的未熟さというよりも、自分だけの魅力や個性、本質を最大限に抽出するためにあえて過剰な圧力を自らにかけているから、かもしれません(外的なストレスへの反応ではなく)。

深さは非日常的な魅力であり、その抽出には代償が伴います。



ダンスをやる目的は人それぞれなので、アメリカンでもエスプレッソでもOK。

ただもし『表現』としてのダンスをしたいのであれば、安易に万人受けするやり方、コスパ・タイパ重視の価値観にながされるのではなく、『深さ』という基準を意識してみてください。

じっくりと時間をかけて自分の内側に答えを探すことは苦手な人が多いと思いますが、表面的ではない『自分らしい魅力』を引き出したいと思うならあえて深く狭く絞っていく作業はどこかの段階で必要だと思っています。

 
 
 

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