
スタジオメンバーさんたちに
知っておいて欲しいこと
小金井スタジオも3年を過ぎ、おかげさまでいま私ひとりで対応できる上限くらいまで生徒さんの数も増えました。
それにともない、あえてお伝えする必要もないかもですが、私自身の考え方とスタジオの運営方針を今一度書いておこうと思います。
なかなかこういったことをお一人ずつにちゃんとお伝えすることも難しいので…
毎年すこしずつ改良&新たな試みを行っていますが、本質的に大事にしていることはこれです。
すべてに同調していただく必要もありませんが、今後のスタジオとしての展開も一緒に楽しんでくれたら嬉しいです。
気持ちのよい居場所づくりに
ご協力お願いします。
①気軽な直前キャンセルはお控えください。
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当スタジオは『ひとりひとりに丁寧な指導』を行うために『少人数』『予約制』というコンセプトでレッスンをやっています。
お支払いいただいた料金は「実際にレッスンを受けたかどうか」ではなく、「枠の数が限られているから事前に確保しておく」というイメージです。
だから…
★「急にキャンセル枠が出たからだれか別の人を…」ということはできません。
★キャンセル料金の払い戻しには手間と手数料がかかるため、「現金での返金」は基本的に対応いたしません。
チケットクラス
24時間前までのキャンセルはご自身で「Web予約の管理」から行っていただけます。
・チケットで予約された方は自動的にチケットの枚数が戻ります。
・現金での払い戻しには対応しておりませんため、ドロップインで予約された方は「予約の変更」より日程変更をお願いします。
・24時間以内のキャンセルは100%消化となります。
定期クラス/期間限定クラス
毎週開催の定期クラスは、月1回までチケットクラスにて振替OK。
月2回開催の期間限定クラスは、期間中1回までチケットクラスにて振替OK。
(こちらはお休み分の回数割金券のようなものではなく、継続してくださっている生徒さん方への運営側の善意としてやっているものになります)
・メンバー固定クラスのため、当日キャンセルであっても振替対応いたします。
なお、私のほうでは前日に参加者の顔触れから「ついていけない人が出ないよう、慣れている人でも何かしらの気づきが得られるよう」なバランスでレッスン内容を考えています。ひとりひとりに必要な内容を提供できるのが、少人数制の価値なので…
体調不良などのやむを得ない理由であっても、事前に一言ご連絡をお願いいたします。
②自己表現・挑戦しやすい雰囲気づくりにご協力ください。
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当スタジオは自己肯定感を高めるための自己表現として、ダンスセラピーを謳っています。そしてそのためには『小さな挑戦と成功を繰り返す』ことが必要。
だから当スタジオでは、生徒さんたちが『挑戦しやすいポジティブな環境づくり』を何よりも大切にしています。
そんな中で、自分のコンプレックスや年齢を理由に自己卑下の言葉を発している人がいたら、その場の空気全体がポジティブ⇒ネガティブにひっぱられてしまいますよね。
ネガティブな空気が漂う空間では、ほかの人だって自己表現や挑戦がやりにくくなってしまうので…
すこしおおげさな物言いをするのなら、レッスンやハフラを行う空間はひとりひとりが心身を整えるための『聖域』です。
ネガティブ自体が悪いわけではありませんが、レッスンの場ではご自身の不安や不満をまき散らさないよう空間美化にご協力ください。
また、同じ生徒さん相手に指摘・指導するようなこともトラブルを招きかねないのでお控えください。
できないことを指導する(それで憎まれ役になるかもしれない)のは講師の仕事で、生徒さん同士は(自分のできてないところと比べずに!)相手の良いところを褒めあう関係を築いていただければ幸いです。
リラックスして表現できる安心空間を、一緒に作り上げていきましょう♪
③感情ではなくフェアであることを大切にしています。
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オトナの習い事というのは、うまく付き合えば人生を豊かにしてくれるかけがえのない居場所となる一方で、どうしても生徒さん同士での比較や嫉妬などネガティブな感情も生まれやすい場所でもあります。
そのため当スタジオでは生徒さん同士ができるだけ理不尽にもやもやすることがないよう、『スタジオの運営において両者に利益がある/不利益が生じないこと』という基準においてできるだけフェアな判断を心がけています。
当たり前のことですが、良くも悪くも私的な感情だけで誰かだけを特別待遇するようなことはありません。
「なんであの人だけ」と思う人にはスタジオ側としての正当な理由がありますし、厳しくても伝えなければいけない言葉はその都度いろんな人に言っていますので…それが大切な生徒さんたちへの私なりの誠意です。
マイペースに運動したいだけの人も、ダンスを上達したい人も、純粋に表現を楽しみたい人の気持ちもできるだけ尊重したいと思っています。
いろんな個性を持った人がいて、いろんな目的の人がいて、いろんな受講スタイルがあるので、「みんな違ってみんな素敵、だからわたしも素敵」の方向でいきましょう。
ショーやイベント出演について
これは『世界共通の正解がないダンス』だからこその問題で、ベリーダンス業界全体では(とくにベリーダンスを踊る人とこの業界の未来のために真摯に取り組んでいる講師たちの中では)ずっと注意喚起され続けているお話です。
「厳しい」とか「古臭い」とかいう話ではなく、ぜひ少し想像力をもって、視野を広げて考えてみてください。
いちおう『当スタジオ』で『生徒さんとして』学んでいる方向けに書いていますが、おそらく他のベリーダンススタジオも(スポーツジムやカルチャースクールはのぞく)同じような考えの先生が多いはずですので、一般的な感覚としてご理解いただければ幸いです。
OK1:ハフラで踊る(クローズド)
OK2:スタジオ主催のショーで踊る
OK3:先生が出演するショーで踊る
・まずはハフラで「人前で踊り慣れる経験」や「協調性をもってグループで踊る」、「自分で振付を作る」といった経験を増やしましょう。自ら参加費を払って踊るので、失敗しても大丈夫な場所です。
・ダンスの上達とともに人前で踊ることに慣れてきた人は、スタジオ主催のショー(外部のお客様を入れる有料イベント)にブッキングされることがあります。お客様からいただくショーチャージは少額のことも多いので、ご家族やお友達などを気軽に呼んでいただけるイベントです。
・上達と場慣れをしてきた生徒さんの中でも、先生やスタジオ主催のショーを積極的に観に行っている人や、集客力の高い人などは、先生の出演する一般のレストランショーのほうに声がかかることもあります。参加費を払って出演するのではなく、集客人数に合わせてチャージバックが発生するステージです。
NG1:スタジオ主催のイベント以外で勝手に踊る
NG2:ショーで無料で踊る
NG3:ベリーダンスイベントをブッキングする
なぜなら…
①ベリーダンスのイメージ低下につながる
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『ベリーダンス』を銘打って人前で踊れば、(たとえ基本姿勢も取れない初心者さんの踊りであっても)それが見た人にとっての『ベリーダンスの印象』になります。
人前で踊る以上、あなたが「生徒」だろうと「プロ」だろうと観ている人には関係なくて、良くも悪くも「これがベリーダンスなのか」と思います。
さらにどこかのスタジオに所属しているかぎり、たとえ生徒さんが勝手にやったことであっても所属しているスタジオの先生の責任になります。
②パフォーマンスに対する価格と質の低下
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「お金をもらって仕事としてベリーダンスに携わっているプロ」の活動領域で、「お金を払って生徒として習っている人」や「ただでもいいから踊る場所が欲しい人」が好き勝手やってしまったらどうなるでしょうか?
(これはすべての業界でも同じことがいえますね!)
一昔前、集客目的でレストラン側が、「露出した衣装」で「くねくね」とそれっぽく踊ってくれる「若くてかわいい」「しかも無料」のダンサーを採用するようになりました。
プロダンサーにギャランティを払うより、「下手でも若くてかわいくて無料なダンサーがいい」を選ぶのは、お店側としては自然な流れです。こうやって学んできたものに対する価値の破壊が起こります。
もともと金額だけでいえば割に合わないレストランショーのギャランティですが、タダでも踊りたい「ベリーダンス風ダンサー」が増えて、「パフォーマンスに対してお金を払わなくていい」のが当たり前になってしまうと…どうなるかわかりますよね。
プロ意識のないアマチュアダンサーが増えれば、まじめにやっているプロダンサーは淘汰されます。
業界全体としての質が落ちるのは避けられない流れです。
③ルッキズム・エイジズムの問題
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またこれは「ダンスそのものの価値よりも性的魅力が大事」と言っていることに間接的に加担します。ルッキズムを否定するつもりはありませんが、アマチュアベリーダンサーたちは自ら、女性軽視を助長する流れを引き起こす結果を招くことになりかねません。
④スタジオや先生を軽んじる越権行為になる
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ベリーダンスショーの開催や、ショーへの生徒さんのブッキングは先生の仕事です。
生徒さんが生徒さんを『選ぶ』という行為はトラブルのもとになりやすいのはもちろん、立場を超えた行為になりますので、少なくとも先生について習っているうちはおやめください。
(ベリーダンスの世界は狭いので、こっそりやってもけっこうバレます…!)
なお、結婚式などで主催者から「あなたに踊ってほしい」と言われた場合には、先生の許可を取ればOKの場合が多いです。
ただし①の理由から、個人レッスンを受けてきちんと仕上げたものであることが基本です。さらに②の理由から、『完全無料』ではなく少額でもギャラ(またはそれに相当するもの)をいただくようにしてください。その意味でも所属している先生にまず相談すれば、自分から言い出しにくくても主催者に話を通してくれるかもしれません。
とはいえ、(これは実体験ですが)「そもそも生徒の立場で気軽に踊れる機会が用意されていない問題」というのはあります。
先生によってはそもそもハフラ自体を開催していなかったり、発表会は年1回の大きなステージで群舞のみ(参加費だけで3万円~とかのよくYouTubeで観るやつ)だったり。
もちろん「発表会は年1回でいいから、群舞で大きなステージで大々的にやりたい」という人もいるでしょう。
そういう人は、生徒数の多いスタジオ(60~100名規模のスタジオだとホールでやります)所属されるのがおすすめです。
そもそも私の好きなベリーダンスは「観客vsダンサー!ショーナイズされたエンタメ!」というよりも、「こぢんまりした空間で、有機的に踊りが始まるような、場と一体感のあるような、人間性が垣間見えるような、ラフなソロダンス」なので…
Oriental Dance Therapyでは、スタジオ開設当初から「生徒という立場で」「出演料を払って」自己表現できる場所として、定期的に踊れる機会を多くご用意しています。
また2025年からはスタジオ主催のショーも始まりました。
2026年からは、少しずつ私の踊るショーにお声がけさせていただく人も出てくるかと思います(もちろん無理強いはしません)。
そんな今後の展望も踏まえて、スタジオメンバーさんたちに知っておいてほしいことをいったんここに書いておこうと思いました。