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『Beauty and Harmony』考察

先日のハフラでオープニング前、イントロで流した曲です。


私が多感な中学生時代に聴いていた古い曲ですが、この世界観は私の一部になっているし、ダンスでもカウンセリングでも私がお伝えすることのベースはここにあるので…


ちょっとご紹介しておきたくて。



▼『Beauty and Harmony』


※YouTubeでイントロが見つからないのでiTunesで。


とっても短い歌ですが、ひとつひとつの言葉が美しく、声に出して歌ってみると自然と涙が止まらなくなります。

この感じ、伝わるかなぁ?




ではフレーズごとに…

長いしマニアックかもなのでご興味ある方だけどうぞ。


------以下わたしなりの考察------


『ホースの中 水があばれる 青い夏の庭の蛇』

夏の強い陽射しにも負けずにぼうぼうと伸びる雑草と、その間にうねうね見え隠れする青いホース。

子供の頃、ホースの先を潰して水撒きした記憶と冷たい水しぶきの気持ちよさ…あの情景をなつかしく思い出します。



『下弦の月 目の高さでひかるオリオン座』

下弦の月は、真夜中に東の空からのぼる月です。

そこから日の出前までの数時間が下弦の月が見えるチャンス。

ちなみに直近だと下弦の月は7/10で、夏は日の出がはやい(7/10は4:33)ので、みられる時間はより限られたものになりますね。


オリオン座は一般的に冬の風物詩というイメージですが、目の高さ(低い位置)にオリオン座が見えるのは夏の終わり頃、明け方に東の空からオリオン座がのぼってくるタイミングです。


つまりこの2つは夏の夜、夜更かしをしたひとときにしかみられないものなんです。

夏の夜ってなんかワクワクして、つい夜更かししがちになりませんか?この夏は東の空を見上げて、この限られたひとときならではの世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。




『鶏頭の赤 ひまわりの黄色』

ケイトウは夏が旬の燃えるような赤い花で、「色褪せぬ恋」という花言葉を持ちます。

ひまわりも言わずと知れた夏の花。ちなみに花言葉は「憧れ」。

どちらも目に鮮やかな、夏によく目にする『ありふれた花』です。




『海で洗われた小石』

海や川の水流で洗われた石は、長い年月をかけて少しずつカドが取れ、小さく丸くなめらかに磨かれていきます。

そのつるんとした形に惹かれて家に持ち帰り宝物にしていたという経験がある人も多いでしょう。

子供のころは宝物にみえていたそれを、いつから「当たり前のもの、そういうもの」と見るようになったのでしょうか。





この歌詞に出てくるものたちはすべては当たり前にあって、変わらず、たあいもないもの。


めずらしいもの、スペシャルなもの、貴重なものはわかりやすく、多くの人が美しいと感じます。


一方で、「特別ではない、この世界に当たり前にあるもの」の「いまこの瞬間にしか味わえない美しさや期間限定の情景」に気付き、愛おしいと思える感性を持つ人は、そう多くはないのかもしれません。


その感性を持つ人は、きっとその人自身がスペシャルです。

そして、なにかしらの形で表現をしようとする人たちにとって、この感性を持つことはとても意味のあることだと思うのです。



そして最後のフレーズ。

『この世界の美しさを ずっとあなたとみられますように』


「当たり前にあるものの瞬間の美しさ」を分かち合える人がいること。

それこそが本当の意味で豊かな人生で、『美と調和=愛』的な生き方なんだろうと思います。



------考察おわり------


何が言いたいかまとめてみると…


この歌は毎年訪れる夏の美しさを詠んだ歌。

「春はあけぼの…(枕草子より)」的な。

当たり前にあるものに、今この瞬間だけの美しさを見出すことができる感性。それがあるからこそ私たちは感謝ができるし、日々を大切に生きようと思える。

そしてそれを分かち合える相手がいたら最高だよね!


ってことでいいかな?



ストレスを理由に消費するばかりの日々を送っていると虚しくなってきます。まるで自分が空っぽになってしまったような。


日々を大切に生きるとは、日常の中にあるものに美を見出し、それを享受し、自分なりに創造し表現し続けること。


コロナ明けて世の中が目まぐるしく動き始めた今だからこそ、足りないものを外側に探し求め続ける生き方をやめ、ささやかでも内側からクリエイトすることの価値に気づき、そっち側の生き方にシフトしていくときなんだと思います。



ちなみにこのアルバムの中に入っている『生涯の恋人』という曲もおすすめ。

7月から小金井スタジオの昼クラスでやる『Lissa Fakir』にもつながるので(偶然!)、良かったら聴いてみてくださいね★



▼『生涯の恋人』(youtube)

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